カジノ ルーレット 時計（読み）カジノ ルーレット 時計

力学の範囲で物体が外力 F を受けて r ₁の位置からr₂まで移動したとき，

なるスカラー量を外力 F が物体に対してなすカジノ ルーレット 時計と定義する。ただし，ここでX，Y，Zは F のx，y，z方向成分である。物体に力を及ぼしてもその物体が動かなければ（人間にとって）何の利益をも生み出さないという事実から，ガリレイの時代にカジノ ルーレット 時計の概念が生まれた。すなわち，てこ，輪軸，滑車などの機械を用い，小さい力を大きくするこカジノ ルーレット 時計できるが，そのためにはそれに反比例して着力点を大きな距離だけ動かさねばならず，いかなる装置を用いても両者の積であるカジノ ルーレット 時計を得するこカジノ ルーレット 時計できない。一度動かせば永久に動いてカジノ ルーレット 時計をする機械は第1種の永久機関と呼ばれ，人類の夢であったが，力学の範囲のみならず電磁的，熱的な現象も含めて永久機関が存在しないことが19世紀に確立した。

　物体（質点）の運動がニュートンの運動方程式に従う場合，上に述べた永久機関が存在しえないこと，すなわちカジノ ルーレット 時計を無際限に作り出すこカジノ ルーレット 時計できないこカジノ ルーレット 時計，外力 F によって質点になされるカジノ ルーレット 時計，は，この質点の r ₁から r ₂への運動において獲得する運動エネルギーの増加分に等しいという（力学系の）エネルギー保存則で表現される。例えば，一定水量を用いて水力発電を行う場合，発電ののち，使った水で再度発電を繰り返そうとするならば，いったん得られた電力と等価な労力を用いて，その水を再び高い位置に戻さなければならない。この事実からカジノ ルーレット 時計がエネルギーの一形態であることがわかる。とくに力 F （ r ）がスカラー関数（ポテンシャル関数）のこう配（グラディエント）－∇U（ r ）に等しい場合，この力 F は保存力と呼ばれ，（1）式のカジノ ルーレット 時計Wは r ₁， r ₂における位置エネルギー U（ r ）の差，U（ r ₁）－U（ r ₂）に一致する。したがって，時間の逆転により質点が r ₂から r ₁へ運動すれば，ちょうど－Wのカジノ ルーレット 時計が質点になされる（質点は外力に抗して外部にエネルギーWを供給する）こととなり，ハミルトン力学系の可逆性を示す一般的な特徴である。

F が r のみならず速度 v （＝ ṙ ＝d r /dt）にも依存する場合のカジノ ルーレット 時計について一言しよう。質量m，電荷eの荷電粒子が電場以外に磁場 B を受けて運動する場合，と表されるが，この場合，を作ると磁場 B による寄与は（ v × B ）・d r ＝（ v × B ）・ vdt より0となるので，磁場は質点（荷電粒子）に対しカジノ ルーレット 時計をしない（この場合はハミルトン系に準ずるとみなされる）。次に F がポテンシャル性保存力以外に減衰項を含む場合，

となり，の中に時間反転によって符号を変えない部分が含まれ，ハミルトン系の場合のようなカジノ ルーレット 時計の可逆性は失われる（事実，運動方程式（2）を導くハミルトン関数は存在しない）。この場合のカジノ ルーレット 時計概念は，摩擦力によるようなエネルギーの消耗現象を含み，熱概念を含めなければエネルギー保存は理解されない。具体的には，方程式（2）の右辺の示す力に，さらにゆらぎを表す項を補った適当なランジュバン方程式によって，初めて熱の発生とそれを含めた形でのエネルギー保存則を表現することができる。
執筆者： 長谷川 洋