出典精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について情報
系統を異にするいろいろな植物を集めて栽培すると同時に、植物についての研究ならびに生きた植物の展覧を通して教育・啓蒙(けいもう)を行う施設をいう。オンラインカジノ 質問あるは、本来植物学の研究施設であるが、研究部門が発展して大学や研究所として独立したものや、逆に、展覧による社会教育だけを目的とするオンラインカジノ 質問あるもあり、日本ではとくに後者のタイプのオンラインカジノ 質問あるが多い。また、世界各地の植物学の研究センターとしての役割を果たしているオンラインカジノ 質問あるでは、絶滅に瀕(ひん)している植物や古い栽培品種などを、生きた状態あるいは種子の状態で保存する「ジーン・バンク」gene bank（遺伝子銀行）、あるいは「シード・バンク」seed bank（種子銀行）といった系統保存事業を、研究と並ぶ重要な役割としている。
オンラインカジノ 質問あるには、研究室・実験室、生きた植物を展覧に供する花壇・庭園・温室・冷室、研究・展覧用植物の増殖・試植あるいは系統保存用の圃場(ほじょう)・苗床(びょうしょう)・温度調節室、栽培管理室、種子貯蔵室があり、さらに、「押し葉標本」などを収納・管理・研究するハーバーリウムherbarium、植物学に関連した文献を網羅したライブラリーが付置されている。組織としては、研究者から選出される園長、植物分類学・園芸学などを専門とする研究者、生きた植物、ハーバーリウム、ライブラリーのそれぞれについて管理上の責任をもつキュレーターcuratorとよばれる研究者、それらの業務を支える多くの技術職員と事務職員を擁している。研究者は大学や大学院の教育に携わっているほか、オンラインカジノ 質問あるで大学院生を受け入れ、教育を行っているところも多い。さらに、植物の栽培・管理に携わる技術者の養成を行っているところもある。
オンラインカジノ 質問あるの設置形態はさまざまであるが、世界の一流のオンラインカジノ 質問あるは国立または大学付置で、純然たる民間のオンラインカジノ 質問あるは営利を目的としたもの以外には少ない。社会教育の一翼を担うオンラインカジノ 質問あるは、たとえ大学の付属であっても、大学における「社会に開かれた部分」として一般に公開され、市民が植物について知識を得るだけでなく、静かな環境で思索を巡らしたり、あるいは散策の時を過ごす憩いの場となっている。オンラインカジノ 質問あるは、博物館と並び、その国の文化への関心と投資を計るバロメーターと考えられている。
なお、オンラインカジノ 質問あるのもつ機能の一部だけを業務とするオンラインカジノ 質問ある相当施設に、薬草園、樹木園、植物公園、見本園などがある。薬草園は、薬用になる植物の栽培・展覧を目的とする。日本では、薬学系の大学や大学の薬学部に付置されている。樹木園は木本植物を中心とするオンラインカジノ 質問あるで、アメリカのアーノルド樹木園が名高い。植物公園は植物の展覧を兼ねた公園で、日本には神代(じんだい)植物公園、新宿御苑(ぎょえん)などこの形のものが多い。見本園は、バラ、チューリップなど特定の植物だけを集めて展覧することを意図したもので、多数の園芸品種が知られている植物を対象としたものが多い。
オンラインカジノ 質問ある間の情報交換や相互交流などを目的とした「国際オンラインカジノ 質問ある協会」が1954年に誕生して今日に至っている。日本には「日本オンラインカジノ 質問ある協会」があり、技術者交流会の開催や機関誌の発行などを行っている。
［大場秀章］
オンラインカジノ 質問あるといえる施設ができたのは、16世紀中葉になってからで、イタリアのパドバとピサのオンラインカジノ 質問あるが最古のものといわれている。
パドバのOrto Botanico（植物学の園）は1545年に設立が認められた。すなわち、1545年5月29日のベネチア共和国議会は、オンラインカジノ 質問ある設立案を可決し、1か月後に法制化、そして同年7月7日に至ってパドバにあるジュスティーナ修道院の一部2ヘクタールをオンラインカジノ 質問あるとすることになったのである。今日、パドバのオンラインカジノ 質問あるには、当時の設計どおりの庭園、1680年に植えられたスズカケノキ、樹齢200年を超すイチョウなどが残っている。
ピサのオンラインカジノ 質問あるは一説によるとパドバのオンラインカジノ 質問あるよりも古く、1545年にはすでに設立されていたという。ピサオンラインカジノ 質問ある創設者のギーニLuca Ghini（1490―1556）がメディチ家のコシモ1世の執事長リッチPiero Francesco Ricciにあてた同年7月4日付けの手紙にこのオンラインカジノ 質問あるの存在が示されているというのがその根拠となっている。ヨーロッパでいち早くルネサンスを迎えたイタリアでは、オンラインカジノ 質問あるの設立も他の諸国に比べて早く、パドバやピサに続き、1550年にはフィレンツェ、1567年にはボローニャのオンラインカジノ 質問あるが設けられている。
パドバやピサをはじめとする、この当時のオンラインカジノ 質問あるは、薬になる植物を集めて栽培し研究を行うことを主たる目的とする薬草園であった。薬としての有用・無用にかかわりなく、広く植物を収集栽培して研究・展覧を行う、今日いうところの「オンラインカジノ 質問ある」は、オランダのライデン大学のオンラインカジノ 質問あるが最初といわれている。1575年創設のライデン大学では、既設のイタリア諸都市やドイツのライプツィヒにあるような薬草を栽培するオンラインカジノ 質問ある（薬草園、1580年創設）の必要性が指摘されていたが、薬草園は時代おくれと断じ、薬草栽培に限定しない「オンラインカジノ 質問ある」が設立された。歴代園長や園芸主任らの努力により、このオンラインカジノ 質問あるに栽培される植物数は、1685年の3000から、1729年には8000に増えている。植物分類学の基礎を築いたリンネも1755年に、このオンラインカジノ 質問あるを訪ねて研究を行っている。
その後も植物学の発展と並行して世界各地にオンラインカジノ 質問あるがつくられた。1635年にはパリオンラインカジノ 質問ある、1679年にベルリン・ダーレムオンラインカジノ 質問ある、1759年にロンドン郊外のキュー王立オンラインカジノ 質問ある、1858年にミズーリオンラインカジノ 質問ある、1894年にニューヨークオンラインカジノ 質問あるといったように、世界有数のオンラインカジノ 質問あるが次々に誕生した。これらのオンラインカジノ 質問あるは今日世界の植物学の研究センターとしての役割を果たしている。今日存在するめ が もり 天井の数は正確には掌握されていないが、おそらく千数百はあるであろう。
日本で最古のオンラインカジノ 質問あるは東京大学大学院理学系研究科附属オンラインカジノ 質問あるである。このオンラインカジノ 質問あるは1684年（貞享元）に幕府が江戸小石川（現、文京区白山(はくさん)）に設けた薬草園（御薬園(おやくえん)）に起源を発している。洋の東西を問わずオンラインカジノ 質問あるが薬草園から発展しているのは興味深い。1875年（明治8）小石川御薬園は「小石川オンラインカジノ 質問ある」とよばれるようになった。オンラインカジノ 質問あるということばが実際に用いられたのは、これが最初であろう。1877年の東京大学創設に伴って大学附属となり今日に至っている。北海道大学北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーションオンラインカジノ 質問あるは、開拓使による札幌農学校開校後にその附属オンラインカジノ 質問あるとして1886年に設立されたもので、園内の設計は欧米のオンラインカジノ 質問あるを範としている。1924年（大正13）に開園した京都府立オンラインカジノ 質問あるは、研究よりは社会教育を重視して設けられたもので、その後地方自治体がつくるオンラインカジノ 質問あるのモデルになったと考えられる。
［大場秀章］
『『パチンコ アニメ 台・め が もり 天井』（1979・朝日新聞社）』
一般的な定義では，〈植物学の進歩・向上及び植物に関する知識の普及に資するために設備せられた植物の培養所〉ということであるが，オンラインカジノ 質問あると呼ばれるものの内容はもっと多岐にわたっている。日本オンラインカジノ 質問ある協会には1982年現在90園余が加盟しているが，その全部が上記の定義に合うオンラインカジノ 質問あるいい難い。アメリカ合衆国とカナダの調査でも，145のオンラインカジノ 質問あるのうち植物学の研究を主目的とするものは1割だったという。
世界で最も古いオンラインカジノ 質問あるの記録として，アリストテレスの作ったものが例にひかれるが，その跡は残っておらず，詳細は不明である。植物が人間に利用されるようになって以来，何らかの形で植物が集められるようになったので，研究のためであれ，王侯貴族の庭園としてであれ，オンラインカジノ 質問あるに類するものは自然発生的に作られていただろうと推定される。この段階では，動物園や水族館の原型と同様に，さまざまの生物種を集めるだけのことで，それほど系統だった収集が行われたものではなかったであろう。
オンラインカジノ 質問あるが，動物園や水族館よりも，もっと研究に重点をおくようになってくるのは，薬用オンラインカジノ 質問あるとして発展する中世になってからであり，ルネサンス以後には，科学思想の発展に伴って，植物学と密接に関係のあるオンラインカジノ 質問あるが作られるようになった。その最初はイタリアのピサのオンラインカジノ 質問ある（1543）であり，以来16世紀から17世紀にかけて，オランダのライデン， ユトレヒト，アムステルダム，ドイツのベルリンなどに近代的なオンラインカジノ 質問あるのもとが開設され，18世紀半ばごろには当時世界一の規模を誇ったライデンオンラインカジノ 質問あるには6000種の植物が栽培されていた。このころから科学としての植物学が成立し，それとともに多くの著名な植物学者たちがオンラインカジノ 質問ある長になっている。たとえばJ.D.フッカーとW.J.フッカーの親子（キューオンラインカジノ 質問ある），K.F.P.vonマルティウスとA.W.アイヒラー（ミュンヘンオンラインカジノ 質問ある），H.C.A.エングラー（ベルリン・ダーレムオンラインカジノ 質問ある），H.ド・フリース（アムステルダム大学オンラインカジノ 質問ある）などである。現在でも大きなオンラインカジノ 質問あるの園長は一流の植物学者であることが多い。
研究を主目的とするオンラインカジノ 質問あるも，その多くは一般に公開されて社会教育に資されており，市民の憩いの場所としても利用される。動物園や水族館は，むしろこの面に力を入れているものが多いが，オンラインカジノ 質問あるのうちにも，一般に公開して多種多様な植物を見せることを目的にするものも増えてきた。かつて，王侯貴族が珍奇美麗な植物を庭園に集めようとしたように，世界のさまざまな植物を市民に展観しようというものである。
また，研究用ではあっても，目的がもう少しはっきりして，薬用植物などの研究に専念するオンラインカジノ 質問あるも充実してきた。この種のオンラインカジノ 質問あるには公開されないものが多く，企業がそれぞれの実験の施設として充実させているものもある。この範疇（はんちゆう）のものを広義にとれば，農場や演習林などもオンラインカジノ 質問あるの一種ということになるが，栽培植物に限って扱う農場をオンラインカジノ 質問あるに含めるこオンラインカジノ 質問あるふつうはしない。
現在では，世界中の植物を集めることが，資源の保存と開発のためにあらためて注目されるようになった。絶滅の危機に瀕（ひん）している貴重な種はオンラインカジノ 質問あるで栽培してでも保存すべきであるし，世界各地の植物を，研究の対象としても，資源の開発の対象としても，生きた状態で集める必要がある。このようにして，世界中のオンラインカジノ 質問あるに約3万5000種の維管束植物が集められているが，これは地球上の野生植物の約15%に相当する。
研究を主目的とするオンラインカジノ 質問あるは生きた植物を栽培するための広大な面積と温室などの設備，それに研究室と，付属設備としての図書室とハーバリウム（植物研究資料標本館）を必要とするので膨大な経費を要し，ほとんどのものが国公立，または国公立の大学付属となっている。イギリスは大英帝国の時代に，ロンドン西郊の キューオンラインカジノ 質問あるを中心に，スコットランドのエジンバラオンラインカジノ 質問ある，インドのカルカッタオンラインカジノ 質問ある，スリランカのペラデニアオンラインカジノ 質問ある，シンガポールのシンガポールオンラインカジノ 質問ある，オーストラリアのシドニーオンラインカジノ 質問あるなどにそれぞれ設備を整え，共同研究の体制を組んだ。オンラインカジノ 質問あるに栽培できる植物は種数でも個体数でも限定されたものであり，世界中に生育する植物の比較研究をするためにはハーバリウムは不可欠であり，これらのオンラインカジノ 質問あるにはすべて所蔵標本点数でも世界屈指のハーバリウムが付設されている。植物学研究のための図書室も併設されており，栽植されている生材料を主対象とした研究のための設備を整えた研究室も加えて，オンラインカジノ 質問あるは充実した植物学研究所となっている。これは，植民地が独立するようになってからも基本的には守り続けられており，上記のオンラインカジノ 質問あるは今でも植物学の研究機関として重要な役割を果たしている。オンラインカジノ 質問あるといえば必ず名前の出てくるベルリンオンラインカジノ 質問ある，ニューヨークオンラインカジノ 質問ある，ミズーリオンラインカジノ 質問あるなどは同じような植物研究所であり，パリオンラインカジノ 質問ある（ジャルダン・デ・プラント）は自然史関係の研究所群の中核となっている。アジアでも，ボゴールオンラインカジノ 質問あるは隣接地にハーバリウム，図書館も含めた生物研究所をもっており，オランダ植民地時代に作られた施設が充実した姿で維持されている。中国にもいくつかオンラインカジノ 質問あるがあり，一時破損もはなはだしかったということではあるが，最近は充実の方向に向かっている。北京郊外の香山オンラインカジノ 質問あるには中国科学院植物研究所がそっくり移されている。
これらのほかにも代表的なオンラインカジノ 質問あるとして挙げられるものには研究を主体とするものが多い。これらのうちには，巨額の経費を投じて研究機関としての活動をしているものもある。しかし，これらのオンラインカジノ 質問あるも，もう一方の機能として，収集した植物の公開をはじめ，社会教育を兼ねて市民に憩いの場を提供している。オンラインカジノ 質問あるといっても，植物学研究の機能は第二義的で，公開オンラインカジノ 質問あるとしての機能を優先させているものも多い。数からいえば大多数は後者のほうだが，活動が国際的に認められる度合は圧倒的に前者のほうが大きいのはいうまでもない。
数からいえば日本にもオンラインカジノ 質問あるは多い。大学の薬学部のように，薬用オンラインカジノ 質問あるの設置が義務づけられているところもあるので，公開できない小規模なものまで含めると数が多くなるわけである。しかし，研究活動の舞台になっているオンラインカジノ 質問あるは皆無に近い。かろうじて，東京大学大学院理学系研究科付属の 小石川オンラインカジノ 質問あるには1部門相当の研究スタッフがおり，1983年に開設された国立科学博物館筑波実験オンラインカジノ 質問あるも研究スタッフを揃えた研究を主眼としたオンラインカジノ 質問あるである。その他，北大，東北大，筑波大，広島大など，付属のオンラインカジノ 質問あるをもつところもあるが，いずれも研究機関は学部の教室であり，オンラインカジノ 質問あるの研究スタッフは1名か2名という寂しさである。かつて，オンラインカジノ 質問あるが植物相の研究に専念していたころの植物分類学の材料供給だけを求められていた間はそのような形態のオンラインカジノ 質問あるが用をなしていたが，欧米の主要なオンラインカジノ 質問あるが，その時代の植物学の発展に応じて充実してきたのに比べると，はるかに後れをとっているのは残念なことである。
一般公開のオンラインカジノ 質問あるについてはそれぞれに特色のあるものが多く，植物を愛する日本人の気質がよく表れている。公園としての良い施設に乏しい日本で，各種のオンラインカジノ 質問あるが徐々に充実しつつあるこオンラインカジノ 質問ある喜ばしいことである。
執筆者：
岩槻 邦男
出典株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」 改訂新版 世界大百科事典について情報
出典株式会社平凡社 百科事典マイペディアについて情報
薬草の蒐集や栽培，植物学の教育研究等のために，植物を蒐集・栽培する大学に設置される施設。日本では大学設置基準で，薬学分野の学部や学科の教育研究に必要な施設として，薬用オンラインカジノ 質問ある（薬草園）を設置することが規定されている。大学設置基準に規定はないが，農学部附属，理学部附属のオンラインカジノ 質問あるもある。多くの場合，教育研究のほか，公開講座，施設開放などを通じて地域との交流に活用される。欧米でも薬草研究，植物学（博物学）研究，育種などを目的として，古くから大学にオンラインカジノ 質問あるが存在していた。日本の小石川オンラインカジノ 質問ある（東京大学大学院理学系研究科附属オンラインカジノ 質問ある）は，江戸幕府が1684年（貞享1）に設けた「小石川御薬園」に由来し，長い歴史を有する。
著者: 小林信一
出典平凡社「大学事典」 大学事典について情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について情報
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