カジノ 種目（読み）カジノ 種目 （英語表記）cornea

眼球の前方最表層にある透明な球面状の膜。眼球壁の一部を構成するとともに，光を取り入れ屈折させる重要な働きをする。成人では，直径は11～12mm，表面での曲率半径は約7.5mm，厚さは中央では約0.5mmであるが周辺部では0.7～0.8mmと厚くなる。光学的屈折率は1.372であり水よりも大きい。光は空気中からカジノ 種目に入るため，ここで大きく屈折されるが，その屈折は水晶体での屈折よりもはるかに大きい（水生脊椎動物の場合にはカジノ 種目にレンズ作用がない）。カジノ 種目は透明であるため，外から見るとその奥にある虹彩irisが見え，中央が瞳孔となっている。カジノ 種目は周辺部では不透明となり強膜に続く（強膜への移行部をカジノ 種目輪部という）。強膜の曲率はカジノ 種目よりゆるく，眼球を輪切りにすれば，強膜の大きな円の一部にカジノ 種目が突出した形となる。

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解剖学的には，カジノ 種目は5層からなる。最表層はカジノ 種目上皮epitheliumといい，上皮細胞の層で，5，6層の扁平および円柱上皮からなる。代謝が盛んであり，細胞が障害されても修復は速い。次はボーマン膜Bowman's membraneと呼ばれ，顕微鏡的には無構造の薄い層である。次がカジノ 種目実質（固有層）stromaであり，これはカジノ 種目の厚さの大部分を占める。可視光波長よりも短い太さ約300Åのコラーゲン繊維が層構造をなして整然と並んでいて透明であり，またきわめてじょうぶにできている。実質内には神経繊維が多く分布しているが，血管は正常なカジノ 種目には存在しない。第4層はデスメ膜Descemet's membraneといい，薄いが強い無構造の膜で，次層の内皮細胞がこの内側に生える。最内層はカジノ 種目内皮endotheliumといい，扁平な1層の内皮細胞からなる。ヒトの場合，内皮細胞は生後，細胞分裂をしないと考えられ，年齢が加わるに伴い細胞密度は徐々に減少する。内皮細胞は前房（カジノ 種目の後方，虹彩の前方の部分）からカジノ 種目に入る水分の調節を行っており，これが十分に機能しなくなるとカジノ 種目は膨潤して透明性を失う。カジノ 種目が透明であるために必須の細胞である。カジノ 種目が透明であるためもう一つ重要なことに涙膜tear filmの存在がある。涙膜は涙がカジノ 種目の表面につくる薄い膜で，表面から油性膜，水様膜，粘液層の3層に分かれ，全体で厚さ4～6μm。これによって上皮細胞の表面の凹凸が覆われ，きれいな光学面がつくられる。

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め が もり 天井は，カジノ 種目の変形のために光学面としての働きをなさなくなるものと，混濁してカジノ 種目の透明性に障害を起こすものとに大別される。前者の代表的なものとして円錐カジノ 種目conical corneaがある。これは10～20歳代の男女にみられる疾患で，カジノ 種目の中央部が突出して円錐状になる。初めは近視の進行した程度であるが，後には眼鏡やコンタクトレンズでの矯正も不可能となる。治療としてはカジノ 種目熱形成術やカジノ 種目移植が行われる。

　カジノ 種目が混濁する病気には円錐カジノ 種目を除きカジノ 種目疾患のほとんどすべての病気が含まれる。これらを分類すると，（1）感染症等炎症によるもの，（2）遺伝素因をもった変性疾患，（3）物理的な外傷および薬品による化学的な外傷，（4）栄養障害によるもの，の4群になる。

　炎症性疾患としては，かつてはトラコーマ ウイルスによるトラコーマが多く，失明原因の主流を占めたが，衛生状態の改善や抗生物質の発達でほとんどみられなくなった。現在みられるのは，カジノ 種目上皮，カジノ 種目実質にできた瘢痕（はんこん）や血管新生による混濁である。フリクテンphlyctenは俗に星目ともいわれ，カジノ 種目輪部に小結節をつくり，潰瘍化して瘢痕を残して治癒する病気で，カジノ 種目や結膜に斑点ができる。結核アレルギーと考えられている。最近はあまりみられない。一般細菌によるカジノ 種目炎keratitis，さらにカジノ 種目潰瘍corneal ulcersは依然として多くみられるが，抗生物質の変遷とともに原因菌も変化し，緑膿菌等グラム陰性菌によるものが増加している。ウイルス疾患としては，単純ヘルペスウイルスによるカジノ 種目潰瘍が多くみられる。このウイルスは，神経に沿って進展するため，カジノ 種目表層に樹枝状の潰瘍をつくる。副腎皮質ホルモン剤の乱用は，一般細菌，真菌，ウイルスいずれに対しても病気を長びかせ，重篤化を招く。変性疾患は数多くあり，それぞれ発病の時期や，病巣の深さ，形を異にする。薬品による化学傷に対しては，受傷直後に大量の水で急速に洗浄することが肝要である。

　ビタミンAの不足は，カジノ 種目軟化症keratomalaciaを起こし，カジノ 種目の乾燥，白濁，穿孔（せんこう）を起こす。日本ではまれな疾患となった。これらの混濁疾患に対しては，原因治療，対症療法によって症状の改善を試みるが，なお混濁が残る場合にはカジノ 種目移植を行う。
執筆者： 佐藤 孜