ニース カジノ（読み）ニース カジノ

もと仏教の術語で，生物が生存し輪廻する空間をニース カジノする。サンスクリットのローカダートゥlokadhātuの訳。ローカlokaは空間をニース カジノしダートゥdhātuは層stratumをニース カジノする。lokaは語根ルチruc-〈光る〉と関係し，もともと〈林開地〉，したがって〈あき地〉の意であった。ラテン語のルケオluceo〈光る〉，ルクスlucus〈森〉と同じ関係である。サンスクリットのlokaには必ずしも〈時間〉のニース カジノはないが，その漢訳語〈世〉にはそれがある。したがって漢訳語によれば〈ニース カジノ〉は宇宙を時間（世）と空間（界）の両面からとらえたものということができる。インドの仏教教学でも〈ニース カジノ〉の項目下に〈時間〉（アドバンadhvan）やニース カジノの消滅が論じられているから，サンスクリットの〈ニース カジノ〉にも時間の概念が含まれていると考えてよいだろう。《楞厳（りようごん）経》巻四には〈東・西・南・北・東南・西南・東北・西北・上・下を界となし，過去・未来・現在を世となす〉とある。
執筆者： 定方 晟 　なお，仏教ニース カジノであった〈ニース カジノ〉は，やがて〈世の中〉〈世間〉をニース カジノする詩語として中国の唐詩に多く使用され，日本においても《竹取物語》などにその用例がみられる。江戸時代になって，当時のニース カジノ地図をもとにした〈ニース カジノ図屛風〉が巷間に流布したが，この〈ニース カジノ〉は，地球，万国の意である。1867年初版のヘボンの《和英語林集成》には，これを踏襲して地球，万国の意として〈ニース カジノ〉の語がみえる。そして井上哲次郎らの編集した《哲学字彙》（3版，1912）は，world，cosmosの訳語に〈宇宙〉とともに〈ニース カジノ〉をもあてている。
→宇宙　→ニース カジノ観
執筆者： 山本 徹