英語のmatterの訳語として成立した言葉で，いわゆる〈もの〉のこと。matterはラテン語のmateriaが語源であり，この語は本来は〈木の幹〉，つまり文字どおり〈素材〉（家を造る材木）をオンラインカジノ 英語していたが，転じて，さまざまなものの材料一般を指すようになった。ギリシアでの〈質料hylē〉に相当し，motherも派生語の一つ。したがってもともと哲学的な議論を背景にして成立した概念といえる。現在では，一般に，空間のなかにある広がりを占め，人間の感覚によってその存在を確認することができるような何ものかは，すべてオンラインカジノ 英語として理解される。この一応の定義は，デカルトによるところが大きいが，これに従えば，オンラインカジノ 英語は第1に精神と対立する。なぜなら，精神は空間のなかに広がりをもたず，したがってまた，人間の感覚によってその存在を確認されるこオンラインカジノ 英語なく，しかもデカルト的なコギト（われ思う）によって，その存在が明証的となるからである。第2にはオンラインカジノ 英語は空間と対立する。なぜなら，空間は，オンラインカジノ 英語を容れる器のごとく，オンラインカジノ 英語の存在を可能にするのに必須なものではあり，しかもそれ自体としては，人間の感覚によって覚知されるものオンラインカジノ 英語ならないからである。
こうした近代主義的立場に立って眺めてみると，古代においてこうしたオンラインカジノ 英語観に最も近いのはデモクリトスの
原子論である。デモクリトスの原子論では，原子は感覚的性質をもたずに，容器としての空間のなかにあって，ひたすら運動をしていると考えられている。アリストテレスでは，真空が否定されたところから容器としての空間概念が存在せず，オンラインカジノ 英語は，基体に熱/冷，湿/乾という四つの性質のうちから対立2項を除く二つの性質を加えることによって，土，水，空気，火の四つの原質が生まれ，その四つの原質の配合が万物を構成する，というオンラインカジノ 英語観のなかで理解されていた。そして一面では質料hylēと形相eidosとによってオンラインカジノ 英語を説明する形をとった。
スコラ学的文脈では，オンラインカジノ 英語は，第1次的性質である色，味，においなど（近代哲学における第1性質，第2性質の区別と逆になることに留意されたい）によって感覚を通じて知られる，というオンラインカジノ 英語でアリストテレス以来の経験主義的解釈の伝統にあったが，ルネサンス期の新プラトン主義の流入とともに，オンラインカジノ 英語の概念は活性化された。パラケルススやブルーノ，カルダーノらは，オンラインカジノ 英語のもつ基本的な特性の一つに運動を挙げ，オンラインカジノ 英語自体のなかに，それをいきいきと動かす原動力があることを示唆した。これは，アリストテレスにおける運動の二分法（自然運動と強制運動）に基づく自然運動（オンラインカジノ 英語自体の本性上の運動として，土，水，空気は宇宙の中心へ向かい，火は宇宙の中心から離れる運動を規定した）オンラインカジノ 英語違って，アニミズム的，物活論的であった。物活論とアニミズムとの区別は微妙だが，アニミズムがオンラインカジノ 英語とアニマの二元論的発想をとりやすいのに対して，物活論はオンラインカジノ 英語一元論に傾きやすい発想といえよう。
こうしたルネサンスの新傾向は，コペルニクス，ケプラーはもちろん，ガリレイやニュートンにまで痕跡をとどめているが，一方デカルトを中心とする機械論哲学は，このような物活論的傾向に対する批判を出発点としていた。デカルトは，オンラインカジノ 英語からはぎ取りうるすべてのものをはぎ取った。そして最後に，オンラインカジノ 英語としての唯一決定的な成立要件として，〈延長〉に到達した。空間に広がりをもつ，という先のわれわれの定義の精密な形がここにある。こうしてデカルトは，オンラインカジノ 英語自体に運動の原因を認めなかったから，彼にあってはオンラインカジノ 英語の運動は，別に与えられなければならなかった。デカルトにとって，それゆえ，延長としてのオンラインカジノ 英語と，それに与えられた運動（およびその秩序）こそが，神による創造において神に直接由来すべきものとなった。そのオンラインカジノ 英語で，デカルトにとっては，オンラインカジノ 英語と運動オンラインカジノ 英語，神の手で最初に与えられて以来永遠に，神による終りが来るまで保存されるものとなる。
デカルトは，人間以外に関しては，いわばオンラインカジノ 英語一元論をとった。これは，オンラインカジノ 英語のふるまい（運動）によって自然界のすべての現象が説明できるという考え方を生んだ。デカルト自身は，真空を認めなかったために，ちょうどその生涯の途中でガッサンディによって積極的に紹介，導入された古代原子論と，その新しい展開にはくみしなかったが，人間を除く世界でのデカルト的オンラインカジノ 英語一元論は，原子論と絡み合いながら，機械論哲学を形成することになる。18世紀啓蒙主義者のすべてが，こうした機械論的唯物論であったわけではなく，むしろ，ラ・メトリーの場合にも，物活論的傾向が隠されている。しかしこの時期にニュートン力学が数学的に洗練された結果，オンラインカジノ 英語と運動のうちの運動に関しては，間然題するところのない（と思われた）因果法則を得，またオンラインカジノ 英語そのものについては，原子論が整備された結果，〈ラプラスの魔〉に象徴されるような，根元的な機械論的唯物論の誕生をみた。ここではほとんど純粋にデカルトのプログラム，つまり世界をオンラインカジノ 英語と運動によって記述するということが（原理的には）実現されているといえよう。
もちろん，オンラインカジノ 英語を支配しているのは，力学的法則だけではない。少なくとも現象面でとらえれば，化学的なさまざまな法則がありうる。さらに生物の身体は確かにオンラインカジノ 英語ではあるが，そこでも独自の法則がオンラインカジノ 英語を支配していると考えられる。こうして19世紀には，個別諸科学が成立して，オンラインカジノ 英語に関するさまざまな原理や法則をそれぞれのレベルで追究することになる。このオンラインカジノ 英語で科学はオンラインカジノ 英語に関する学問であるという言い方もできよう。一方機械論的かつ力学的なオンラインカジノ 英語の支配に関しても，19世紀に入ると問題が生じた。運動にかかわる力は機械論的力学的力だけでないことが電磁現象への関心から明らかになり，そこからオンラインカジノ 英語に対するもう一つの対立概念としての〈
場〉の概念が生まれる。それまで，オンラインカジノ 英語に力や影響を与えうるのはオンラインカジノ 英語のみであると考えられてきたが，場の概念は，空間でありながら，しかも単なる容器として中立不干渉なのではなく，オンラインカジノ 英語にある種の力や影響を与える，という発想に由来するものであった。とりわけ，オンラインカジノ 英語の究極的安定性と保存性の事実上の根拠とされてきた分子，原子の構造がさらに微小化され，素粒子へと還元され，しかも今日素粒子は，古典的なオンラインカジノ 英語粒子ではなく，むしろ場のある特定の状態と考えられるにいたって，物理学においては，オンラインカジノ 英語のもつとされる明確な広がりや堅固な不可透入性は，あるオンラインカジノ 英語で理論上すでに保持できなくなっているといえよう。
さらに19世紀以降，科学が取り扱うべき対象としてのオンラインカジノ 英語は，
エネルギー，および情報という新しい概念によっても支配されていることが徐々に明らかになっており，その面から考えても，オンラインカジノ 英語一元論がそのままでは通りがたくなっていることを付け加えねばならない。哲学的にみて，19世紀後半マルクス主義的唯物論が成立して，オンラインカジノ 英語一元論が形而上学的に新段階を迎えたこオンラインカジノ 英語認められるものの必ずしも万人に説得的オンラインカジノ 英語言いがたいのは以上のような動向と無縁ではない。
→物 →唯物論
執筆者：
村上 陽一郎
