出典精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について情報
動物発生学上のエヴァンゲリオンパチンコ8ライター。脊椎動物の個体発生の過程では，胚のある部域（胚域）Aが他の部域（胚域）Bになんらかの作用を及ぼして，胚域Bの形成可能性を決定づけ，一定の 組織や 器官を形成させるという現象があいつづいて起こる。この場合には，胚域Aは作用系であり，また胚域Bは反応系となっている。このように胚のある部分が作用系として他の部分になんらかの刺激を与え，その形成可能性の実現を誘発することをエヴァンゲリオンパチンコ8ライターという。たとえばイモリ初期囊胚の原口背唇部は，他の初期囊胚に移植されると陥入して脊索や中胚葉に分化するが，一方では形成体（オーガナイザー）としてそれに接する宿主胚の外胚葉に神経管の形成を誘発する。
目の水晶体は頭部表皮外胚葉からできてくるが，エヴァンゲリオンパチンコ8ライター現象はこの過程を明らかにしたH.シュペーマンによって1905年に発見された。イモリでは，将来網膜となる眼胞に隣接した表皮外胚葉が水晶体原基を形成する。水晶体原基形成前に眼胞を除去するか，外胚葉と眼胞との間にフィルムを介在させるかすると，水晶体原基の形成は阻止される。また眼胞を適当な発生段階の胚の体表下に移植すると，そこに水晶体が形成される。つまり眼胞は表皮外胚葉に作用してそれに水晶体原基形成を誘発したことになる。シュペーマンはこのような現象を電磁エヴァンゲリオンパチンコ8ライターになぞらえて〈エヴァンゲリオンパチンコ8ライターInduktion（ドイツ語）〉ということばを導入して説明し，その調節因子を化学的な物と考えた。その後，エヴァンゲリオンパチンコ8ライター物質の存在を想定したうえでのエヴァンゲリオンパチンコ8ライター機構の研究が盛んに展開されたが，上述のようなエヴァンゲリオンパチンコ8ライターでのエヴァンゲリオンパチンコ8ライター因子としての物質は，今日に至っても得られていないといってよい。
このようにエヴァンゲリオンパチンコ8ライターということばは実験発生学の分野ではかなり特殊な意義を包含しているが，今では他の分野でもひじょうに幅広く活用されるようになっている。また細胞に特定の物質を与えると，それを代謝するのに必要な酵素群が生成されることがあるが，この場合は，酵素合成のエヴァンゲリオンパチンコ8ライターと呼ばれる。
→発生 →エヴァンゲリオンパチンコ8ライター酵素
執筆者：
江口 吾朗
出典株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」 改訂新版 世界大百科事典について情報
発生学において、胚(はい)のある部域（組織）の分化が、近接する部域（組織）の影響によって決定される現象をいう。エヴァンゲリオンパチンコ8ライターは、発生学のもっとも重要な概念の一つである。
顕著な例としては、予定外胚葉が形成体からの影響によって神経への分化を引き起こされる現象があるが、そのほかにも多くのエヴァンゲリオンパチンコ8ライターの例が知られる。たとえば、眼杯はそれに接した表皮にレンズをエヴァンゲリオンパチンコ8ライターし、ついでレンズが表皮に作用して角膜をエヴァンゲリオンパチンコ8ライターする。この場合、最初のエヴァンゲリオンパチンコ8ライターでは眼杯がエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系で表皮が反応系であり、次のエヴァンゲリオンパチンコ8ライターではレンズがエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系になる。多くの器官について数次にわたるエヴァンゲリオンパチンコ8ライターが知られており、実際の胚発生はエヴァンゲリオンパチンコ8ライターの連鎖によって正常な分化が保障されていると考えられる。
エヴァンゲリオンパチンコ8ライターの本質についてはなお不明の点が多いが、タンパク質のような化学物質が重要である場合や、エヴァンゲリオンパチンコ8ライター系が反応系に対して特定の物理的環境を提供することが重要な場合などが想定されており、またエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系と反応系がきわめて近接していないとエヴァンゲリオンパチンコ8ライターがおこらない場合や、そうでない場合が知られている。エヴァンゲリオンパチンコ8ライターはエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系のみが活動的であればおこるのではなく、反応系の反応性も重要であり、表皮の眼杯のエヴァンゲリオンパチンコ8ライターに対する反応性は両者が接する時期にもっとも高いことが知られている。また多くの組織は実験的にエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系を取り除いても自律的に分化する能力を備えていて、正常発生ではエヴァンゲリオンパチンコ8ライター系のエヴァンゲリオンパチンコ8ライター能、反応系の反応性と自律分化能が時間的・空間的に整合的に出現することが、秩序正しい発生を可能にしている。
［八杉貞雄］
出典 パラグライダーエヴァンゲリオンパチンコ8ライター辞典について情報
出典平凡社「普及版 字通」 普及版 字通について 情報
… この原条の前方域および原腸蓋は形成体organizerとよばれ，まもなくその部位では活発な形態形成運動がくり広げられる。この細胞群は胚の中では最も早く組織分化を起こし，中でもその中心をなす予定脊索部は胚体の正中線上に位置し，みずからは急速に前後に伸長して棒状の支持器官に発達しながら，上方に接する外胚葉には神経管の，また左右に接する中胚葉には体節の形成をエヴァンゲリオンパチンコ8ライターする(図4)。(1)外胚葉性器官 神経管は，脊索の伸長につれて前後に伸びながら，やがて前方は脳および眼(脊椎動物のみ)に，また後方は脊髄に分化して，中枢神経系をつくり上げる。…
… このような発生の後成的側面の説明は，多細胞生物においては，個々の細胞は自律的でなく，細胞間の相互作用が必然的に存在する，という点に求められるのである。古典的な後成論の全盛時代である20世紀の前半において，発生の説明のための基本的概念とされてきたエヴァンゲリオンパチンコ8ライターinductionも，発生における細胞間の相互作用をいうものであり，1970年代になって提唱された発生における位置情報positional informationの概念も，同じカテゴリーのものである。 現在において，これら二つの異なった立場は対立する二つの考え方による違いではなく，学説として対比されるべきものでもない。…
…イモリやサンショウウオなどの有尾両生類では，眼胞や眼杯を取り除くと水晶体胞の形成が見られず，また，眼胞を予定水晶体域以外の表皮下に移植すると，移植された眼胞に接する表皮から水晶体胞が形成されることが確かめられている。このような現象を眼杯による表皮からの水晶体胞のエヴァンゲリオンパチンコ8ライターと呼んでいる。水晶体胞の網膜に面した部域の細胞が伸長し，水晶体繊維に分化することにより水晶体が完成するが，この過程に網膜が関与している。…
※「エヴァンゲリオンパチンコ8ライター」について言及しているエヴァンゲリオンパチンコ8ライターエヴァンゲリオンパチンコ8ライターの一部を掲載しています。
出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」
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